2009年10月20日

ナンセンスというセンスがあるんだぞ。

月9の東京DOGSを見ました。
くだらなくて面白かったですね。
でも、これって受け入れられるだろうかとも思ったのでありました。

実際、このドラマは受け入れられないと思います。
視聴者はこのドラマをどうやって見たらいいのかわからないのではないか
今、お笑いでさえたった1分でやらなければならない時代に
「これはいったいなんだ?」なんて
じっくり考えながら、初体験の感覚に自分を合わせながら
好意的に見てくれる視聴者がどれだけいるでしょうか。
「あー、これ、わかんない」で終わっちゃうんじゃないか
そう思うのであります。

このドラマは基本的にはナンセンスコメディなんだろうけども
もう一方でシリアス、アクション、サスペンスという性質もあります。
ナンセンスで、それでいてサスペンスというのはかなり無茶な状況
つまり、ナンセンスギャグを挟んでいきたいけど
話の展開が論理的に破綻してしまうとサスペンスではなくなってしまう
非常にさじ加減の難しいドラマとなっておるのであります。
このドラマを成立させるのはとても難しい。
脚本家の技術にすべてはかかっているのであります。

結局は登場人物たちの個性で押していくしかないのだけれど。
個性的なキャラと、そのキャラ同士が入り組んで作り上げる人間関係に
うん、とても面白いとぼくは思ったのでありました。
さすがいぬ会社や33分探偵を手がけられた福田雄一さんの脚本だと
うなってしまったのでありました。

しかしですねえ。
ナンセンスコメディファンのわたくしとしては。
「シリアス、必要か?」と。
疑問を投げかけたい。
いや、月9だろ、というツッコミはわかります。
月9ならシリアスとかストーリーが必要だろ、という正論もわかります。
ナンセンスだけのコメディはBSとか深夜枠とかでやってるじゃん、と。
月9でやらなくてもいいじゃないか、と。
重々わかるんです。

でもさ、宮藤官九郎だって、
あのTBS金曜10時枠で木更津キャッツアイやってたじゃんか。
あの枠は金妻とかふぞろいとか冬彦さんとかのヘビーなドラマ枠だろ。
そこで単純にバカなドラマやってたんじゃん。
せめてあんなテイストでできなかっただろうか、と言いたいわけ。

--

そういや、月9で宮藤官九郎脚本の
「ロケットボーイ」という微妙なドラマやってたな
あん時は主演の織田裕二が途中でケガしちゃって
何話か踊る大捜査線の再放送に差し替えになっちゃった
いろんな意味でついてない結果になっちゃった
もし、あの時、ガチでコメディやってたら
それで織田裕二がお笑いに寛容になってくれてたら
もっと山本高広にも寛容でいてくれたかも知れない
そしてこの前の世界陸上もテンション落とさずにやってくれてたかもしれない


--

話がそれました。

つまり、ぼくたちは自然とあらゆるものから
「意味を探ろうとしてるんじゃないか」ってことで
「意味を持たない物は価値がないんじゃないか」と思ってるってことです。
だから、月9のような『ココゾ!』というときには
意味を必要とするってことなんですよ。
脚本家がバカ100%で持って行っても
「ダメだよダメダメ、月9でこれやっちゃうけないよ」とかって
プロデューサーがつっかえしちゃう。
だから隙間に「シリアス」や「アクション」や「サスペンス」が混じって来ちゃった。

なんだよそれ!
このドラマにはシリアスもアクションもサスペンスもいらないよ!
ぼくの個人的感想はこういったところでした。

--

実際は「アクション」というものも意味を持たないかもしれませんね。
「アクション」「エロ」「バカ」この類は意味というより
それ、そのものと言った方がいいでしょう。
「アクション」は「アクション」であって、それ以上の意味を持たない。
だからこそ「アクション」だけ、「エロ」だけ、「バカ」だけじゃ
作り手も観客も不安になってくる。
そこに「意味」を練り込もうとする。

なんだろうな、そんなに意味なんて重要かな
と、バカだけで作られた物に深く感動したりするぼくは
うーん、うーんと考えてしまうのでありました。


--

ぼくは意味のないことを作り上げるセンスを持ち合わせていなくて
自分の作品では何でも理屈が通らなくては気がすまなくて
それがぼくの伸び悩みの原因の一つなのですけれど
福田雄一さんの作品に憧れを抱いてしまう理由はそこにあります。
ぼくにはぜったい作れない物がそこにある。
月9と聞いて「うひゃー」と思って第一話をじっくり見てしまいました。
来週からも見ます。

高校の時、ぼくが落語をやっていた頃にその先輩が
「ナンセンスってのは無意味ってことじゃないぞ。
ナンセンスというセンスがあるんだ」と言ってたのを思い出しました。
うーん、バカにもいろいろあるもんだー、決して楽なもんじゃねえな
と考える秋の夜更けでございました。
posted by m.hiro at 00:15| Comment(2) | TrackBack(0) | 座長日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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